バイセル Tech Blog

バイセル Tech Blogは株式会社BuySell Technologiesのエンジニア達が知見・発見を共有する技術ブログです。

バイセル Tech Blog

テックブログの品質を担保する取り組み

こんにちは、株式会社BuySell Technologiesの吉森(@molmolken)です。

私は今年の1月にバイセルに入社し、所属しているCTO室で技術広報をメインに担当しています。

バイセルについて

バイセルは総合リユース事業の会社です。 「人を超え、時を超え、たいせつなものをつなぐ架け橋となる。」をミッションとし、買取から販売まで幅広い商材を扱っています。

技術広報の取り組みの1つとして、本ブログ(バイセル Tech Blog) の運営があります。具体的には、執筆者への打診、スケジュール管理、壁打ちの実施、記事のレビューなどを行っています。

この記事では、バイセルのテックブログで品質を重視していること、そして品質を担保するための取り組みについて紹介します。

2023年の実績

まずは、バイセルのテックブログの実績についてです。2023年の1月~11月に公開した記事数は30件でしたが、これは2022年同時期の13件に比べ、倍以上に増えています。

また、バイセルでは2020年からアドベントカレンダーを実施しており、今年もメンバーが執筆した記事がたくさん公開されています。ぜひご覧ください。

qiita.com

ブログ記事の品質について

バイセルはリユース業界のNo.1テックカンパニーとなることを目指しています。そのため、公開するテックブログの記事も高い品質でなければいけません。

テックブログは、エンジニアにとって会社の顔とも言える存在です。SNSや検索で見つけたブログ記事からその会社を認知したり、逆にとある会社について理解を深めたいときにテックブログを読むことも多いと思います。

したがって、公開する記事はどのような内容でも良いわけではありません。 流行りの技術に対して深い考察なしに逆張りするような扇情的な内容や、大喜利・一発ネタのような記事を書けば、PV数やはてなブックマーク数をある程度増やすことはできますが、バイセルのテックブログではそのような記事を由とはしていません。そういった記事は個人のブログに書けば良いと考えています。

では、バイセルのテックブログにふさわしい記事とは、具体的にどういった記事なのでしょうか。 私たちは次の2つを満たす記事だと定義しています。

読者に価値を提供できる

バイセルのテックブログを読んでくれた読者に対し、何らかの価値を提供できることを必須要件にしています。

例えば、新規性や独自性があること、読者が抱えている課題を解決する一助になることなどです。既に世の中に溢れている内容を記事にしても、それは読者に対して価値を提供できているとは言い難いです。

また、単に「取り組んだ内容を羅列しただけ」の記事も適切ではありません。 取り組みの背後にある課題とその背景を説明し、どのような仮説を立て、その仮説をどう検証し、成果として何を得たのか、という一連の流れを書くことで読者は深い学びを得ることができます。

バイセルの事業やプロダクトに関係している

「バイセル」のテックブログに公開する記事ですから、当然バイセルの事業やプロダクト、組織の取り組みに関する内容でなければいけません。

ライブラリやフレームワークのハウツー記事や、バイセルと関係のない一般論を述べるような記事については、テックブログの対象外としています。

一方で、メンバーには積極的なアウトプットを通じて成長してほしいと考えています。また、せっかくアウトプットをしたのであれば、その取り組みは組織としてもぜひ評価してあげたいです。 そのため、ZennにバイセルのPublicationを作成し、こちらにはバイセルに関係のない記事でもレビューなしで公開できるようにしています。

zenn.dev

品質を担保する取り組み

では、具体的にどのように記事の品質を担保しているかを紹介します。

重厚なレビュー体制

バイセルのテックブログでは、公開までに3段階のレビューを実施しています。

1次レビュー

GitHub上でPRの形で提出された初稿に対し、ワーキンググループ(以下、WG。詳細は後述します) のメンバーと、テックリードにてレビューを行います。 WGのメンバーとテックリードでは、以下のように責務を切り分けています。

  • WGメンバー
    • 誤字脱字やわかりづらい表現、誤解を生みかねない言い回し、全体の構成など、日本語の文章に関するレビューを行います
  • テックリード
    • 記事に記載された技術やプロダクトの知識に長けたメンバーをアサインし、専門的な内容に関するレビューを行います

2次レビュー

技術広報担当である私が担当しています。1次レビューをすり抜けた日本語の間違いや、よくある誤用の指摘、漢字の閉じ開き、SEOを意識した記事タイトルなどをレビューしています。

最終レビュー

CTOの今村によるレビューです。バイセルのテックブログは基本的に全て今村のチェックを通してから公開しています。

以上のように、バイセルのテックブログは3段階のレビューを通しているのですが、一方でこのように手厚いレビュー体制であるためレビュアーの負担は大きく、特に1次レビューは初稿の出来によって時間が大きく左右されます。 そこでバイセルでは、以下の2つの取り組みによってレビューに対する負荷の分散と時間の短縮を行っています。

ワーキンググループ(WG)の結成

WGは特定の目標達成に向けた少人数の横断組織で、新卒を中心とした若手メンバーで構成しています。社内にはテックブログのWG以外にも、社内LT会のWGやオフィス環境を向上させるWG、社内イベント企画運営のWGなど、複数存在しています。

テックブログの執筆では、記事ごとにWGから担当者をアサインし、その担当者が執筆者に対してスケジュールの管理、壁打ちの実施、アウトラインの確認、1次レビューなどを行っています。また、執筆環境やブログ本体の改善にも取り組んでおり、定期的にtextlintの設定を見直したり、コードブロックのCSS設定を改良したりしています。

今年、WGのメンバーを3名から5名に増員したので、担当が回ってくるペースが概ね2ヶ月に1度となり、レビューの負荷を軽減することができました。

ChatGPTの活用

バイセルではChatGPTを積極的に活用しており、社内の複数のシステムから安全にChatGPTを利用するための基盤が存在します。また、インタフェースの第1弾としてSlackからChatGPTを利用できる「Slack Buddy」を社内向けにリリースしています。

prtimes.jp tech.buysell-technologies.com

テックブログの執筆やレビューにもChatGPTの利用を強く推奨しており、特に不自然な日本語の訂正や、簡単な誤字脱字の指摘などには大きな効果を発揮しました。

一方で、ChatGPTが生成した文章をそのままブログに掲載すると、一目でそれとわかってしまうため、現在は人間の手での修正が必要となっており、プロンプトの改善が今後の課題です。

まとめ

バイセルのテックブログでは記事の品質を重視しています。そのために記事が満たすべき要件をまとめ、3段階のレビューを実施しています。 また、レビューの負荷軽減のため、テックブログ運営のWGを結成して作業を分担するとともに、ChatGPTも積極活用しています。

昨年(2022年)のアドベントカレンダーの時期、まだ私はバイセルに入社していなかったのですが、当時のWGメンバーによると、アドベントカレンダーに関するタスク以外はほとんど行えないほど負荷が高かったそうです。
今年のアドベントカレンダーの準備も大変でしたが、昨年よりは幾分か余裕をもって対応できたと思います。この場を借りて、WGメンバーに感謝の意を伝えたいです。

引き続き、執筆フローの改善やChatGPT活用の強化をしていくことで、高い価値を持つ記事を公開していきますので、これからもバイセルのテックブログをぜひご覧ください。

最後に、バイセルテクノロジーズでは一緒にリユース業界のNo.1テックカンパニーを目指す仲間を募集しています! 興味がある方はぜひ一度お話ししましょう!

herp.careers