バイセル Tech Blog

バイセル Tech Blogは株式会社BuySell Technologiesのエンジニア達が知見・発見を共有する技術ブログです。

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バイセル技術広報の2年間の取り組みと、その狙いについて

こちらは バイセルテクノロジーズ Advent Calendar 2024 の8日目の記事です。 昨日は内田さんによる 1年でSecure SketCHの点数を100点以上向上させた話 でした。

こんにちは、株式会社BuySell Technologiesの吉森 (もりけん / @molmolken) です。
私は昨年の1月にバイセルのCTO室にジョインし、技術広報を中心としてエンジニアのイネーブルメントや組織開発など、様々な取り組みを行ってきました。

この記事では、バイセルで行っている技術広報の取り組みと、その取り組みを行う上でどういった狙いがあったかについて紹介します。 在籍エントリとしてこの2年間の取り組みを記録に残しつつ、私と同じように技術広報やDevRelに取り組まれている方へのヒントとなれば幸いです。

バイセル技術広報の取り組み紹介

テックブログ

バイセルのテックブログ は2019年に立ち上げられました。 2022年までは年に10本程度の不定期な記事公開 + アドベントカレンダーの実施 が主な活動でしたが、私がジョインした2023年からは「月3本の記事公開」の目標を掲げ、さらに現在では「毎週の記事公開」という目標にレベルアップしています。 具体的な取り組みとしては「ガイドラインの整備」「レビュー体制の確立」「LLMの活用」などを行っています。このあたりの詳細は先日書いた記事がありますので、ぜひそちらをご覧ください。

tech.buysell-technologies.com

イベントスポンサーの取り組み

2024年から、オフラインイベントへのスポンサー活動を本格的に開始しました。 具体的には、情報処理学会人工知能学会画像の認識・理解シンポジウム MIRU開発生産性カンファレンスなど、技術系の学会やカンファレンスに協賛し、ブースを出展しています。

MIRU2024に出展した際のブースの様子

カンファレンスブースでの取り組みで特に工夫したのが「リユースお宝ガチャ」です。 当時、スポンサーブースで配布するノベルティについて、参加者に喜んでもらえる物品は何かと悩んでいました。 なにを貰っても嬉しいという人がいる一方で、モバイルバッテリーのような高価で実用的なアイテムでさえ「既に持っているから要らない」という声もあり、真に喜んでもらえるものを選定するのにとても苦心していた記憶があります。

そんな折に同僚から、バイセルで買い取った商品の中に、日常生活ではほとんど見かけることがない珍しい商品であるにも関わらず、価値はあまり高くないものがあると聞きました。 具体的には、「寛永通宝」「天保通宝」といった古銭、日本の古い切手や海外の切手、アクセサリから取り外された小さな宝石などです。 最終的には、これらの商品を小さなケースに入れ、ガチャに封入して配布することにしました。 想定通り、参加者は普段目にすることがない珍しい古銭や切手に喜んでくれましたし、また、バイセルの事業とも深く結びついた商品だったので、会社説明のきっかけ作りにも非常に役立ちました。

実際に配布した古銭、切手、宝石など

外部向け勉強会の開催

バイセルでは私が入社するまで社外向けの勉強会を開催したことがなかったため、企画から運営まですべてを一から構築する必要がありました。 そうして立ち上げたのが、バイセルによる勉強会「BuySell Dev Study」です。

buysell-technologies.connpass.com

開催当初はコロナ禍の影響が和らぎ始めた時期で、オフラインでの勉強会が徐々に再開され始めていました。
そこで、BuySell Dev Studyも基本は参加者同士の交流を重視したオフライン開催とし、現在もテーマによってオフライン開催か、オンライン配信も含むハイブリッド開催という形式にしています。 オンラインのみの勉強会は、開催の手間も参加者の負担も少ないですが、やはり懇親会等を通じた直接の交流でこそ価値を最大化できると考えています。
初期には学び目的ではなく飲食を目的とした、いわゆる「タダ飯狙い」の参加者に悩まされましたが、粘り強い対話とconnpassのブラックリスト機能の活用によって、直近の勉強会ではあまり見かけなくなりました。

イベントスペースの貸し出し

あまり大々的には喧伝していませんが、バイセルではエンジニア組織のフロアにあるイベントスペースを、自社の共催イベントや技術コミュニティの勉強会用に貸し出しています。 この取り組みは技術コミュニティへの貢献ができるだけでなく、広報的にも一定の効果を狙えると考えています。 また、自社のスペースでイベントを開催することで、社内のエンジニアメンバーが勉強会に参加しやすくなるというメリットもあります。

技術コミュニティを運営されている方で、勉強会の開催場所に困っている方がいらっしゃいましたら、知り合いのバイセル社員にお声がけいただくか、バイセルのXアカウント(@BuySell_Dev) までご相談ください。

verbose-lizard-01e.notion.site

社内勉強会の開催

私が入社する以前から、毎月社内で「Tech Talk」という勉強会を開催していました。現在は私を含めた有志メンバーで運営しています。毎月、最終木曜日の夕方に1時間枠を設け、そこで事前に募集した登壇者たちが発表を行っています。

社内勉強会「Tech Talk」の様子

勉強会の目的としては、ナレッジの共有や社内のネットワーキング、外部登壇の練習などがあります。
技術広報というと、外向きの活動に目が向きがちですが、社内のエンジニアが成長・活躍できる環境を作ることも大事な仕事の1つだと考えています。 最近はこういった活動をロールとして明確にするために、「DevEnable」や「エンジニアイネーブルメント」と呼ばれる組織を設けている会社もあり、重要性が高いことが伺えます。

社内への働きかけ

上記の社内勉強会の取り組み以外にも、社内向けの取り組みをいくつか行っています。

まずは、情報発信やアウトプットの重要性を説くプレゼンを、社内勉強会や新卒研修にて行っています。また、毎週Slackに「技術広報ニュース」を投稿し、直近で公開されたテックブログの記事や登壇実績・予定を社内メンバーに共有しています。
さらに、技術広報ロードマップを作成し、エンジニア組織全体に説明する時間を設けています。技術広報の各取り組みについて、どういった意図・目的で行っているのかを説明することで、メンバーの協力が得られやすくなったように感じています。

毎週、Slackに投稿している「技術広報ニュース」

技術広報に関するKPIを設定する際の注意点

これらの取り組みに共通する大事な考え方として、KPIは必ず自身がコントロールできるものを設定しています。

例えば、「テックブログを毎週公開する」や「外部向け勉強会を毎月開催する」というのは、自身である程度コントロールできる指標ですが、「テックブログのPV数やはてなブックマーク数」や「勉強会の参加者数」というのは個人がコントロールするのは難しい指標です。

技術広報の取り組みによるアウトカムは、定性的なものでも半年〜1年、定量的なものだと1〜2年はかかる印象があります。そこに個人がコントロールしづらいKPIを設定してしまうと、効力感が生まれにくく、活動が途絶えてしまう可能性もあるので、特に最初のうちは外部要因に左右されづらい「自身の努力によって達成できる」指標を定めることが大事だと考えています。

まとめ

バイセルの技術広報活動について、2年間の取り組みとその意図を紹介しました。 技術広報の活動に携わる方々へ、何かヒントになれば幸いです。

今後も引き続き、社内外のエンジニアが成長・活躍できる環境作りを目指して、技術広報活動を推進していきたいと考えています。

明日の バイセルテクノロジーズ Advent Calendar 2024 は 鴨野さんによる 「【13分→4分】開発効率向上のためのCloud Buildデプロイ速度改善」です。 お楽しみに!