バイセル Tech Blog

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技術力だけではなかった——25卒エンジニアが全社準MVPを獲得できた3つの理由

はじめに

自己紹介

こんにちは!テクノロジー統括本部 開発2部で、バックエンドエンジニアをしている大石(@umaidashi18)です。 私は25卒ですが、2024年2月からバイセルで内定者インターンを始めたので、入社からちょうど2年が経ちました。

2025年12月に開催された全社表彰式「BUYSELL AWARD 2025」にて、「個人賞 テクノロジー部門MVP」と「個人賞 全社準MVP」をいただきました。この記事では2025年の振り返りをしながら、なぜこのような成果を出せたのかをバイセルの環境や文化と合わせて紹介します。

MVPを受賞したときの写真

普段の業務内容

普段は基幹システム「Cosmos」のうち、在庫管理を行う「Stock」の開発・運用を行っています。 リユース商材はすべてが1点もので、それぞれを個別の明細として管理する必要があります。常時数十万点の在庫を扱っており、すべてが買い取りによって仕入れた会社の資産であるため、監査・法務要件を満たす厳密な管理が求められます。また、買取・仕分け・販売といった各領域にユーザーがいるため、多機能かつ高い要求水準に応えるシステムになっています。

私はこのチームでバックエンドの開発を担当しており、2026年1月からはテックリードを務めています。2025年はM&Aしたグループ会社の在庫管理領域におけるPMI(M&A後の統合プロセス)で、事業要件を慎重に確認しながら現場や経理など複数のステークホルダーと調整し、システム面をリードしていました。現在はシステム負荷の軽減やパフォーマンス向上といった非機能要件に取り組んでいます。

グループ再編のIR資料

2025年にやったこと

ここでは、MVP受賞の背景にある2025年の取り組みを紹介します。大きく「グループ会社へのシステム導入」と「PjM的な動き」の2つです。

グループ会社へのシステム導入支援

2025年の業務の中心は、主要グループ会社への基幹システム「Cosmos」の導入支援でした。

バイセルはM&Aによって複数のリユース企業をグループに迎えていますが、各社はそれぞれ独自のシステムで業務を回していました。これを「Cosmos」に統合することで、オペレーションの標準化やデータの一元管理を実現し、グループ全体のシナジーを生み出す——というのが大きなミッションです。

言葉にするとシンプルですが、実際には地道で泥臭い仕事の連続です。グループ会社ごとに業務フローが異なり、「Cosmos」の既存機能ではカバーしきれない要件も多くあります。現場のオペレーションを理解し、要件を擦り合わせ、開発し、データを移行し、リリース後も安定運用まで伴走する。このサイクルを回し続けた一年でした。

特に大変だったのはスケジュールの厳しさです。2025年6月・10月・11月、2026年1月と、全国数十店舗・数百人規模のシステム導入が連続しました。さらに2025年11月には店舗事業のグループ統合が発表され、1月納期に向けた短期間での大規模な対応も必要になりました。現場業務のレクチャーは事業部がメインで行っていましたが、システム面では次々と押し寄せる導入スケジュールに必死で対応する日々でした。

結果として、4社の新規テナント導入と3社のバイセルへのテナント統合を完了しました。加えて、経理向けの在庫高ダッシュボードの提供なども行いました。

エラー調査フローの標準化

導入・テナント統合が連続した結果、運用で発生するエラーのパターンも多様化しました。調査には Sentry、Cloud Logging、New Relic、BigQuery など複数のツールを横断的に確認する必要があり、この調査フローを Claude Code と MCP(Model Context Protocol)を組み合わせて標準化しました。

MCP サーバーの構成

Claude Code の .mcp.json に以下の MCP サーバーを接続しています(構成例)。

MCP サーバー 用途
Sentry エラー情報の取得(メッセージ、スタックトレース、影響範囲)
New Relic アプリケーションのメトリクス・アラート履歴の確認
BigQuery 本番データのスナップショットを用いたデータ調査
Atlassian Jira チケットへの調査結果の記録、Confluence への障害報告

これに加えて、gcloud CLI を Bash ツール経由で実行し、Cloud Logging のログ検索も行っています。

カスタムスキルによる調査フロー

Claude Code のカスタムスキル機能で /error-investigate コマンドを定義しています。Sentry の Issue URL を渡すだけで、スキルに定義されたワークフローに沿って調査が進行します。

/error-investigate https://your-org.sentry.io/issues/XXXXXXX/

具体的には、以下の流れで調査を進めます。

1. Sentry からエラー情報を取得

mcp__sentry__get_issue_details(issueUrl='https://your-org.sentry.io/issues/XXXXXXX/')

エラーメッセージ、スタックトレース、発生回数、影響ユーザー数、発生時刻などを一括で取得します。

2. Cloud Logging でログを確認

Sentry から得たタイムスタンプをもとに、gcloud CLI で発生前後のログを検索します。

gcloud logging read \
  'resource.type="cloud_run_revision" AND severity>=ERROR' \
  --project=your-project-id \
  --format="json" \
  --limit=20

3. New Relic でメトリクス・アラートを確認

mcp__new-relic-mcp-server__get_entity(entity_guid="<ENTITY_GUID>")
mcp__new-relic-mcp-server__list_recent_issues(account_id=<ACCOUNT_ID>)

エラー発生時刻にアラートが上がっていたか、エラーレートに変動があったかを確認します。

4. BigQuery で実データを確認

エラーがデータ起因の場合、BigQuery MCP で本番データのスナップショットを確認します。BigQuery は従量課金のため、スキル定義に dry_run でスキャン量を事前確認するルールを組み込んでいます。

SELECT id, barcode, tenant_id, status
FROM `your-project.snapshots_latest.stocks`
WHERE id = <対象ID>

5. ソースコード調査・修正方針の決定

スタックトレースからソースコードを確認し、類似パターンを検索します。ここまでの情報を総合して、原因分析レポートと修正方針を出力します。

6. Atlassian に調査結果を記録

Atlassian MCP で Sentry と紐づいた Jira チケットに調査結果を書き込みます。障害の場合は Confluence の障害報告ページにも記録します。逆に、Jira チケットの内容を読み込んで調査を開始したり、メモしておいた Claude Code のセッション ID から調査を再開することもあります。

このフローにより、Sentry の URL を渡すだけでスタックトレースの解析からログ・メトリクスの確認まで自動で進むため、初期調査の工数が大幅に削減されました。また、スキルとしてチームに共有することで調査手順が属人化せず、誰でも同じ品質で初動対応できるようになっています。調査結果をそのまま Jira チケットに記載したり、原因特定からコード修正まで Claude Code 上で一気通貫で完結できる点も、テナント数が増え続ける中で大きな助けになっています。

PjM的な動き

こうした導入を進める中で、自然とPjM(プロジェクトマネージャー)的な動きも担うようになりました。PMIは経営課題として「やること」が決まっていたため、それを実現するための技術課題こそがボトルネックであり、エンジニアが最前線で必要とされる状況でした。

具体的には、PMIに向けたミーティングへの参加、導入に向けたタスクの洗い出しと推進、リリース計画の策定などを行いました。中でも大きかったのは事業部との対話です。導入・統合に向けた要件の確認、システム的な制約の共有、その中で折り合いを探る。時にはシステム外の物理オペレーションの調整まで踏み込むこともありました。もちろんこれらと並行して、エンジニアとしての開発業務や不具合対応も同時に進めていました。

エンジニアがこうした動きを担ったからこそうまくいった面もあったと思います。全体プロジェクトを進める上で「技術的に実現可能かどうか」の判断が常に求められていましたが、在庫管理システムの仕様を深く理解しているだけでなく、業務知識も身につけていたため、事業部の要件をスムーズに理解し、技術的な実現可能性の判断にも時間をかけずに済みました。

この経験を通じて感じたのは、事業課題や経営課題を技術の力で解決できる瞬間こそ、エンジニアの真価が発揮されるということです。PjM的な動きができれば、その力はさらに大きくなります。今後はAIも活用しながら、この掛け合わせをさらに広げていきたいと考えています。

全社準MVPを獲得できた理由

こうした取り組みが評価されてMVPをいただけたわけですが、正直なところ、これは自分の技術力が特別に高かったからではありません。振り返ると、「環境」「文化」「個人」の3つが噛み合っていたからだと感じています。

1. 環境——急成長がチャンスを生んだ

まず大前提として、バイセルがM&Aによる急成長の真っただ中にあり、エンジニアが取り組むべき仕事が次々と生まれていたことが大きいです。

バイセルはここ数年、リユース業界でのポジションを確立するためにM&Aを積極的に進めてきました。

参画時期 企業名 主な事業
2020年10月 株式会社タイムレス 百貨店内の買取店舗、ブランド品BtoBオークション
2022年7月 株式会社フォーナイン Reuse Shop WAKABA(200店舗以上展開)
2023年12月 株式会社日創 高級ブランド品買取販売
2024年3月 株式会社むすび 買取むすび(全国展開)
2024年10月 レクストホールディングス 出張買取「福ちゃん」など複数事業
2026年2月 株式会社DelightZ 買取専門店 諭吉(九州エリア中心に店舗展開)

2025年11月には傘下の9社を統合し、「WAKABA」「買取むすび」など4ブランドを「バイセル」に一本化。店舗数は約40店舗から約150店舗に拡大しました。さらに2026年2月にも新たなM&Aが発表されるなど、グループ拡大の勢いは今も続いています。

グループが拡大するほど、システム統合の必要性も高まります。各社が独自のシステムを使っているため、データの一元管理ができない。オペレーションが標準化されていないため、グループ間のシナジーが生まれにくい。このPMIを加速させることが経営課題であり、先述の通りエンジニアが最前線で必要とされていました。

つまり、会社の急成長に伴って、インパクトの大きな仕事が大量に生まれているという状況です。上長がいくら「若手にチャレンジさせたい」と考えていても、そもそも仕事がなければ任せようがありません。会社のフェーズとして、新卒にも大きな仕事が回ってくる土壌がありました。

2. 文化——若手に任せるチーム

課題があっても、「まだ早い」「経験が足りない」と若手に任せない組織もあります。バイセルが違ったのは、チャレンジしたい人を本気で後押しする文化があったことです。

全社の方針

2025年1月に導入された新人事制度「Bet on Your Growth」は、その姿勢を象徴しています。年齢や社歴ではなく、任されるミッションの規模でグレードや給与が決まる「ミッショングレード制」を採用しており、「本気で挑戦する人に対して、成長に必要な機会や支援は惜しみなく提供する」という方針が明確に打ち出されています。

テック組織の文化

全社の方針だけでなく、テック組織・チームレベルでもこの文化は根付いています。

例えば、私は生成AIに興味を持ち、Devinなどのツールを業務の中で積極的に触っていました。それを見ていた上長が、2025年3月に開催されたVC内のエンジニア勉強会にバイセル代表として登壇する機会をくれました。5月にはサポーターズColabでも登壇させてもらい、満員の応募をいただきました。さらに27卒サマーインターンシップではメンターも任せてもらいました。「興味を持って動いている人に、次のチャンスを渡す」——入社1年目の自分にもそれを実感できる環境でした。

先述のPjM的な役割も、ポジションが空いたタイミングで「やってみないか」と任せてもらえたものです。実際のところ、最初は失敗することが怖かったり、若手として遠慮してしまったりする自分もいました。そんなときに上長から「危なくなったら止めるから、まずは好きなようにやってみて」と言ってもらえたことで、思い切って踏み出すことができました。挑戦を任せてくれるだけでなく、ちゃんと見守ってくれている安心感があったからこそ、のびのびと動けたのだと思います。

同期の挑戦

私だけでなく、同期の25卒メンバーもそれぞれの領域で挑戦しています。同期の@meltedsoysourceは、お昼休みにエンジニアが集まって生成AIのナレッジを共有する『AI席(あいせき)食堂』を企画・運営しています。同期の@kurogenki0522Go Conference mini in Sendai 2026に登壇し、社外のコミュニティでも発信を続けています。同期の@rabel_belbelは『並列リクエスト時のユニークキー制約違反を解決した話』をテックブログで発信するなど、それぞれが自分の得意領域で積極的にアウトプットしています。

こうした同期の姿を見て刺激を受けつつ、自分も負けていられないという気持ちで取り組めた一年でした。

3. 個人——自分から手を挙げる

環境と文化が揃っていても、待っているだけではチャンスはつかめません。最後に大事だったのは、自分自身の行動です。

就活のときから、新卒3年目までは研鑽の時期にしたいと考えていました。できるだけ多くのことを経験したい。だからこそ、会社のフェーズを見定めて、環境と文化が揃っているタイミングで入社したかった。バイセルはまさにその条件にぴったりのタイミングでした。

入社してからは、何よりも手を挙げることを意識しました。新しい話が出ればミーティングに積極的に参加する。1on1では「これをやりたい」と声を上げる。チャンスを逃さないように、基本的に断らない。こうした小さな積み重ねが、グループ会社へのシステム導入やPjM的な役割といった大きな仕事につながっていきました。

もちろん最初は不安もありました。しかし、ここまで書いてきた通り、1人で抱え込む環境ではありません。上長やチームがサポートしてくれる安心感があったからこそ、思い切って挑戦できました。結果として自分の成長に確かにつながったと実感していますし、入社前に期待していた通りのキャリアを歩めている——バイセルを選んでよかったと心から思っています。

まとめ

入社1年目で全社準MVPをいただけたのは、自分一人の力ではありません。

  • 環境:M&Aによるグループ拡大で、インパクトの大きな仕事が次々と生まれるフェーズであったこと
  • 文化:「Bet on Your Growth」に象徴される、若手のチャレンジを後押しする仕組みがあり、チームレベルでも「やりたい」と言えば任せてもらえる文化があったこと
  • 個人:自ら手を挙げ、1on1やプランニングで積極的に機会をつかみに行ったこと

この3つが揃っていたからこそ、新卒1年目でも大きな成果を出すことができたと感じています。

環境と文化が揃っている会社で、自分から動くことさえできれば、年次に関係なく成果を出せる。これが2025年を通じて一番強く感じたことです。

「若いうちから裁量のある仕事に挑戦したい」「事業にインパクトを与えられるエンジニアになりたい」——そう考えている方には、バイセルは非常に合う環境だと思います。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひご応募をお待ちしています。

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