こちらは バイセルテクノロジーズ Advent Calendar 2021の 13日目の記事です。
前日の記事は @naoto_pqさん の「オンラインイベントで役立つアンケート作成のスキル」でした。
こんにちは。テクノロジー戦略本部、開発2部の渡辺です。
私が所属している開発2部はバイセルの買取領域をテクノロジーで推進する部署です。
買取の現場ではテクノロジー戦略本部が提供した買取基幹システムが導入されていますが、今回はそれら買取の業務やシステム、今後の方針について紹介しようと思います。
バイセルの買取方法
上記を見てもらうとわかると思いますが、バイセルには「出張買取」「店頭・持込買取」「宅配買取」の3つの買取・査定方法が存在します。
CASHというサービスも存在しますが、そちらについては昨年の記事を見ていただければと思います。
今回はその中でもバイセルが主力としている出張買取についての業務と課題について取り上げます。
バイセルの出張買取
バイセルの出張買取の基本的な流れは以下となります。
この中の査定開始から契約のところで買取基幹システムが活用されています。
出張買取において半分近くの時間をシステムの利用に費やすことになるため、査定・買取の品質≒システムの品質となります。
では、次にそのシステム上でどういった操作(業務)が行われているのかを紹介します。
システム操作内容
1. 商品品目の選択
まず、お客様が用意していただいた商品を画面上から選択します。
バイセルで取り扱っている商品は以下の通りですが、システム上では更に品目を細分化して表示しています。
現場の査定員は沢山の品目の中から適切な選択をしなければならないので、似たような品目の場合は混乱を招きやすいです。
2. 商品の写真撮影
無事に品目を選択できたら、次に商品の写真を撮っていきます。
この写真撮影が査定の結果に大きく関わるため、商品によっては撮影する枚数が非常に多くなります。
現場で商品を見ているはずなのに写真撮影が必要・大きく関わる理由については追って説明します。
3. 商品の詳細情報入力
写真撮影が終わると、次に商品の情報を入力していきます。
ここでいう商品の情報というのは以下のようなものです。
商品の品目によって入力項目は様々です。
5項目で済む商品もあれば、20項目を超える商品もあります。
査定員はこれを現場で手入力していることを考えると尊敬します。
4. 買取価格の入力
1~3までの情報を元に買取価格を決めるのですが、現場の査定員がすべての商品の価格を決めるわけではありません。
商品によってはより専門的な知識をもった弊社スタッフに情報共有をして、より正確に価格を提示してもらうこともあります。
そのために商品の写真の撮影枚数を多くしたり、商品の詳細な情報を入力する必要があったというわけです。
それらの情報が足りていないと、現場の査定員と専門スタッフとのコミュニケーションコストが増えてしまいます。
ちなみにこのコミュニケーションは送り手がシステム上でコメントを残し、受け手がシステム画面をリロードするという現状では非効率的な状態です。
5. 契約書の作成
商品の買取価格にお客様が納得していただいた場合、契約書を作成します。
契約書には先ほど査定時に入力した商品情報やお客様の情報が記載されることになります。
お客様の個人情報はまたしても手入力となります。
契約書に記載された商品情報や個人情報が正しいかどうかは、弊社の本社にいるスタッフがダブルチェックします。
3での商品情報や個人情報が足りてないと契約書に記載される情報も不足してしまい、買い取ることができなくなります。
もし商品情報が足りていない場合、システム上から3の商品情報の入力まで戻らなければならず、非常に手間になっています。
現状の課題と今後の方針
ここまで説明をした業務とシステムに関する課題として、システム入力項目が多いということがおわかりいただけたかと思います。
この課題に対して検討している今後の方針を説明します。
システム入力項目が多い
この課題に対して、情報の対象によってそれぞれ異なるアプローチを検討しています。
商品情報
商品情報の中で、システムで担保できるものとしてブランドやサイズ、商品名などの商品スペックがあります。
商品スペックはその商品が存在してから変わることはありません。
その不変情報を集約する商品マスタ(データベース)を現在構築しています。
これを査定システムに導入することで、商品を特定が出来さえすればスペック情報は入力補完されて、入力工数を大幅に削減することができるようになります。
また、この商品マスタを査定の情報に紐付けることができれば、商品マスタの情報に紐付いた査定の実績データが閲覧できるようになるので、価格の妥当性の担保や分析などができるようになるのも利点です。
そういったデータが蓄積するほど、スタッフの知識による属人性に依存することなく、買取価格を提示できるようになる世界も見えてくると思います。
お客様情報
現状の買取システムでもお客様の情報は保存しているので、リピーターのお客様の場合は過去のデータを利用することが可能です。
ただし、システム上でお客様の特定をする場合、名前・住所・電話等を口頭でのヒアリングする必要があります。
その手間を減らすために、会員カードを発行するような会員システムを検討しています。
会員システムが提供できれば、会員番号やバーコード・QRコードなどで簡単にお客様情報を取得・入力補完することが可能となります。
上記のような取り組みによって、手入力を減らしてミスを削減するだけではなく、データの活用や業務のスケーラビリティを向上しようとしています。
最高のシステムでリユースのプラットフォーマーになる
ここまで紹介したような買取現場での課題はバイセルだけではなく、実際に他社の買取現場を拝見させてもらったところ、共通している部分も非常に多いという印象を受けました。
現状はバイセルでの課題解決のための開発を進めていますが、そういった課題を順番に解決していけばリユース業界全体のDXを実現する最高のシステム、リユースプラットフォームが誕生すると思います。
上記のような業界に革新をもたらすような取り組みに共感していただけるエンジニア・プロダクトマネージャー・SRE・データエンジニアなど全方位募集中です。
明日のバイセルテクノロジーズ Advent Calendar 2021は浅野さんによる 「部署異動して感じたディレクターの魅力」 です。