はじめに
こんにちは、テクノロジー戦略本部 開発3部の林田です。 私は今年の4月に新卒で入社し、現在は買取管理システムの開発・運用をしています。 今回は大規模な障害を経験した新卒の私が、この3ヶ月間で取り組んできたことを紹介したいと思います。 今年新卒で入社した方や、これからエンジニアを目指す方に、新卒エンジニアが日々どのようなことを考えながら業務に取り組んでいるのかをお伝えできれば幸いです。
背景
自分の経歴
私は、昨年の12月から内定者インターンに参加しました。 インターン時代は、開発タスクを中心に取り組み、事業部からの問い合わせや障害対応には関わっていませんでした。 4月に入社してからは、1ヶ月間のプロダクト開発研修を経て、チームに配属となります。 私は、インターン時代に所属していたチームに再び配属されました。
初めての障害対応
配属直後、所属チームのサービスで大規模な障害が発生しました。 配属されて間もない私は、初めての障害対応に直面し、何をすればよいのかわからず、ただ先輩たちの対応を見ていることしかできませんでした。 現場での迅速な対応や的確な判断を目の当たりにし、自分の力不足を痛感しました。 その経験を通じて、「自分も同じような場面で活躍できるようになりたい」と強く思い、改めて業務への取り組み方を見直すきっかけとなりました。
障害対応の振り返り
障害発生時に自分ができることは何だったのか、また現在の自分に足りないものは何かを振り返りました。
反省点
障害が発生した際、自分にも貢献できることがあったのではないかと感じました。 例えば、ユーザーへのアナウンスや問い合わせ対応のエスカレーション、原因調査を自分なりに進め、それらの情報をチームに共有するなどの行動が考えられます。 自ら率先して行動する姿勢があれば、障害対応に何らかの形で貢献できた可能性があったと思います。
今後の成長に向けた課題
まず、経験を積むことの重要性を実感しました。 先輩たちは日々の問い合わせ対応を通じて経験を重ねており、障害発生時にも迅速かつ的確に対処できていたと感じます。 これまで私は問い合わせ対応に関与する機会が少なかったため、今後はこうした対応にも積極的に参加し、実践的な経験を積むことが必要だと考えました。
また、主体的に行動する意識を持つことも大切だと学びました。 インターン時代はチームからの指示に従ってタスクを遂行することが多かったですが、障害対応のような緊急事態では、自分からアクションを起こし、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が求められます。 今回の経験を通じて、主体的に行動することの重要性を改めて認識しました。
実践したこと
今回の障害対応を通じて、自分の課題や今後の取り組み方針が明確になりました。 それを踏まえて、知識や経験が不足している自分にできることは何かを改めて真剣に考え、いくつかの方針を立てて実践することにしました。 以下では、私がこの3ヶ月で実践したことを紹介します。
解決できるかわからなくてもチャレンジしてみる
質問や問い合わせに対して、自分がすぐに解決できるかわからなくても、まずは対応を試みることを心がけました。いつまでも先輩に頼っていては成長できないため、できるか不安でも勇気を出して積極的に関わることを意識しました。 例えば、他のプロダクトチームから「この機能の仕様はどうなっていますか?」と質問された際、自分がその内容を把握していなくても、自分なりに調査した結果を共有するなど、できる範囲で依頼者に情報を提供するよう努めました。
まずはリアクションする
社内ではテキストベースのやり取りが多いため、依頼者にとって相手が対応しているかどうかが見えにくいことがあります。 そのため、リアクションを返すだけでも依頼者に安心感を与えることができます。 また、対応する意思を示すことで責任感が生まれ、後回しにしにくくなるため、結果的に迅速な対応につながります。 こうした効果を意識し、メッセージを確認した際には、まずリアクションを返すことを心がけるようにしました。
先輩の対応から学ぶ
他の人が解決した問い合わせ対応についても、どのように問題を解決し、何が原因だったのかを理解することを心がけました。 問い合わせ対応を考える際に、過去の事例を参考にすることが多いため、対応方法を把握しておくことは今後の問い合わせ対応において重要なヒントとなります。 特に知識が不足している私にとって、このような学びは非常に重要です。 そのため、自分が直接対応していない場合でも、積極的にキャッチアップするよう努めました。
作業ログをできるだけ詳細に記録する
調査時には、チームメンバーが見える場所に作業ログをできるだけ詳しく残すよう心掛けました。 例えば、文章だけでなく、スクリーンショットやログなどを添付して、分かりやすい形で情報を共有するようにしていました。 作業ログを詳細に記録することで、自分自身の振り返りだけでなく、他のチームメンバーが解決策を見つける手がかりにもなります。 これにより、チーム全体の業務効率の向上にもつながると考え、意識的にログを残すようにしました。
タスクの優先順位を見直す
これまで自分の開発タスクを最優先にしていましたが、チーム全体の業務をスムーズに進めるためには、タスクの優先順位を見直す必要があると感じました。 私が所属しているチームには、普段さまざまな問い合わせや依頼が寄せられます。 例えば、ヘルプデスク対応では、ユーザーからのデータ修正依頼や不具合に関する問い合わせに対応することが日常的にあります。 また、多くのプロダクトとAPI連携しており、他のプロダクトからの質問や調査依頼も頻繁に寄せられます。 これらの問い合わせや依頼を滞りなく処理するためには、迅速な対応が求められます。 問い合わせや調査を依頼された際、以前は自分のタスクが区切りの良いところまで進んでから対応していましたが、これでは対応開始までのスピードが遅くなってしまいます。 そのような問題を防ぐために、自分のタスクの進捗を気にせず、問い合わせ対応を優先的に着手することを意識するようにしました。
3ヶ月取り組んだ成果
プロダクトへの理解がより深まり、できる範囲が広がった
問い合わせや調査を通じて、システムへの理解がさらに深まりました。 インターン時代や入社直後はヘルプデスクや調査依頼には携わっていませんでしたが、7月末からは基本的にヘルプデスク対応をすべて任されるようになり、さらに他のプロダクトからの調査依頼も担当するようになりました。 実際に当事者として関わることで、システム全体をより深く理解できました。 例えば、障害の発生原因を調査する場合、ログの解析が容易でないことも多いですが、丁寧にログを追うことで、システムの仕組みやデータの流れを理解することに繋がりました。 こうした経験を積み重ねたことで、より高度な問題にも対応できる自信がつき、最近では問い合わせに対応するだけでなく、解決策の提案も行えるようになりました。
タスク管理がしやすくなった
優先順位を見直した結果、自分が担当しているタスクの管理がしやすくなりました。 これまでは優先順位が曖昧だったため、他チームからの質問などが来ても後回しにしてしまい、対応に遅れることがありました。 優先順位をつけることで、急な依頼や問い合わせがあっても後回しにすることを防ぐことができ、結果的に対応スピードの向上につながりました。 現在はヘルプデスク対応と開発タスクの両方を担当していますが、どちらのタスクも両立して進めることができています。
社内で表彰された
バイセルでは、「ホスピタリティ」「プロフェッショナル」「クリエイティブ」の3つのバリューを掲げています。
社内には、バリューを体現した社員を共有するチャンネルがあり、その投稿をもとに、毎月の本部会で最もバリューを体現したチームや個人を表彰する取り組みが行われています。 8月の本部会では、他プロダクトからの調査依頼や質問に迅速に対応した点が評価され、私たちのチームが表彰されました。 実際に他のプロダクトの社員から感謝のメッセージをいただき、自分の取り組みが他者の役に立っていると実感しました。 まだまだ自分の貢献は小さいですが、この表彰は、3ヶ月間取り組んできた成果が形になったものだと思っています。
まとめ
5月の障害をきっかけに、自分自身の力不足を痛感し、それを乗り越えるために業務に対する取り組み方を見直し、実践してきました。 実践してみた結果、経験が少ない自分でもできることがたくさんあると再認識しました。 そして、その小さな積み重ねが、徐々に自分のできる範囲を広げることに繋がると実感しました。
また、実際に対応していく中で、先輩たちの対応の速さには驚かされました。 私が対応しようと思った矢先に、すでに対応が完了していることが何度もありました。 その迅速さだけでなく、適任者にエスカレーションする判断力や、問題に応じた臨機応変な対応も非常に参考になりました。 近くにお手本となる先輩たちがいたことは、私にとって大きな支えであり、成長の原動力となっています。
エンジニアとしての技術力も大事ですが、迅速に対応する力も同様に重要だと、障害対応や問い合わせ対応を経験して感じました。 今後は技術力を高めるだけでなく、柔軟な対応力や迅速な判断力を身につけ、さまざまな課題に立ち向かえるように力をつけていきたいと思います。
最後に、バイセルでは新卒エンジニアを随時募集しております。興味のある方はぜひ以下の採用サイトをご覧ください。