はじめに
こんにちは! 開発2部の飯島です。
先日、バイセルで初めて開発合宿を開催しました。 本記事では、合宿の運営リーダーを務めた私の目線で、計画から実施まで運営側がどのようなことを検討し、何を行ったのかをお伝えします。 初めての開発合宿を計画している方や、開発合宿をさらに良いものにしていきたい方に知見を提供できれば幸いです。
今回の開発合宿の形式
今回の合宿は以下のような形式で開催しました。 オンライン参加も可能にしたこと、66人という大人数での開催になったことがユニークと言えます。
ミッション | 非日常の空間で課題に向き合い、成果に繋がる開発をする |
---|---|
日程 | 1泊2日 (2023年2月16日(木), 17日(金)) |
参加方法 | オフラインまたはオンライン |
オフライン会場 | ホテルおかだ (箱根) |
参加者 | テクノロジー戦略本部に所属している全員 (オフライン55人・オンライン11人の総勢66人。非エンジニアも含む) |
当日までの流れ
4ヶ月前
運営メンバーの決定
CTO室から開発合宿の開催が発表され、テクノロジー戦略本部から有志で運営メンバーが募られました。 結果、合計4人のメンバーに決まりました。
3ヶ月前
開催形式の検討
家庭の事情で参加できない人のためにオンライン参加も可能にしました。 また、定常業務を調整してできる限り皆が参加できるようにしました。
参加者の検討
親睦を深めるという点で、エンジニアに限定してしまうと意義が薄れてしまうと考えたため、ディレクターやデザイナーも含む、テクノロジー戦略本部に所属している全員を対象にしました。
宿の検討
箱根にあるホテルおかだに決めました。 選んだ観点は以下の通りです。
- できるだけ開発に時間を割くため、都内から2時間以内でアクセスができる
- 箱根にあるホテルなので電車だと1時間半ほどで到着できる
- 参加者が一堂に会して作業・発表するため、60人収容可能な会議室がある
- 会議室が6つあり、最大450名収容できる会議室もある
- wifiが提供されている
- 非日常感を味わってもらうため、温泉がある
なお、検討にあたり、他社のテックブログの開発合宿の記事も参考にしました。
2019 年も開発合宿を行いました - freee Developers Hub
【チェックリスト付き】開発合宿 運営マニュアル 〜計画から実施までの流れ〜 - ZOZO TECH BLOG
2ヶ月前
宿を予約
部屋と会議室を押さえておくために、60名で仮予約しました。 なお、ホテルおかだでは、以下のスケジュールで予約内容を確定していく必要がありました。
- 宿泊の1ヶ月前までに使う会議室の種類・数を確定
- 宿泊の2週間前までに宿泊する人数を確定
交通手段の検討
電車かバスか (新宿から箱根まで)
以下の経緯で、電車(ロマンスカー)にしました。
- ロマンスカーを使えば新宿から乗り換えなし
- 新宿<->箱根湯本のロマンスカーの本数も上り下りともに十分な数がある
なお、駅からホテルへは原則徒歩で、希望者はタクシー移動も可としました。
1ヶ月前
ミッションの検討
運営メンバーで話し合い、「非日常の空間で課題に向き合い、成果に繋がる開発をする」というミッションに決めました。
開催の旨を部内メンバーに周知
ミッション・ホテル・大まかなタイムスケジュールが決まった時点で全体向けのアナウンスを行いました。
合わせて開発合宿用のslackチャンネルも作り、合宿関連のやりとりはそこで行うようにしました。
参加人数の把握
正社員は原則オフラインで参加してもらう前提で、アナウンスしました。 その上でオンライン参加や不参加を希望するかのアンケートを別で取りました。
開発体制の検討
開発体制は個人・チーム両方可としました。また、チームは誰とでも組んで良いことにしました。 そして、2日目の発表の時間までにテーマに沿った成果物を完成させてもらうという流れです。
1泊2日という限られた時間の中で、企画、設計、実装などを全て行なってもらうには時間が足りなさそうでした。そのため事前にテーマを設定してもらい、開発についてある程度見通しがついた状態で合宿に臨んでもらうようにしました。
なお、テーマ決めで迷っている人については任意で運営メンバーと壁打ちを実施しました。
これにより、バイセルのほとんどのメンバーにとって初めての開発合宿でしたが、開発の方向性を定めたうえで迷いなく合宿に臨んでもらえました。
オンライン参加の考慮
オンラインで参加している方にも、オフラインの方と一体感を持って開発してもらいたいと思ったので、以下の工夫をしました。
- 開発している様子を見られるように、会の開催時以外でも、会議室の様子をGoogle Meetで表示し続けた
- コミュニケーションがとりやすいように、Google Meet Comment Flowの拡張機能を導入
席割り・部屋割りの検討
ロマンスカーの席割りやホテルの部屋割りに関しては、部長陣とも話しつつ、リラックスできるように話しやすいメンバーでまとまるようにしました。 一方で会議室での席や、夕食・朝食の席に関しては交流を促進するために自由としました。
旅のしおりの作成
開発合宿の情報を集約するスプレッドシートを作成し、そこで参加者リストやタイムスケジュール、開発テーマ、運営のTODOリストなどをまとめて管理するようにしました。 参加者に「迷ったらまずしおりを見てください」と案内できるようになるほか、開会式や閉会式の際に投影する資料としても機能したので、作っておいてよかったです。
賞制度の検討
優れた成果物を作成した個人・チームには賞を授与するようにしました。 受賞の確率が上がるように賞は多めに7つ用意し、部長5人・本部長・CTOでそれぞれ個人賞を決めてもらう形式にしました。 受賞するのが個人かチームかは表彰の直前までわからなかったので、賞品は合宿後に決定・後日発送という形を取りました。
そして当日、表彰式は以下の流れで実施しました。
- 審査員(部長5人 + 本部長)のそれぞれに受賞者を発表していただき、選定理由を言ってもらう
- 受賞者に前へ出てきていただいて代表者からコメントをもらう
- 審査員 + 受賞者で記念撮影
発表形式の検討
スムーズに発表してもらえるように検討し、以下のような形になりました。
- 発表は1会場1レーンのみにした
- 2会場で複数レーンにすることも考えたが、全員で発表を聞いて開発したことを全員で労いたかったため、1会場1レーンとした
- 1人(1チーム)当たり、発表時間2分・1スライドに
- 必要に応じてデモ(画像or動画)も用意してもらった
- デモのリンクをスライドに貼っておいてもらうようにした
- 以下の施策で転換をスムーズに
- プロジェクターに投影するPCは運営のものを使用し、操作も運営が行う
- 全発表者のスライドを1つのスライドにまとめる
- 発表者はチーム、個人に関わらず1人
- 次の発表者には袖で待機していてもらう
このように施策をたくさん盛り込んでいたために、当日は発表・転換がかなりスムーズに進められました。 ただ、転換がスムーズにいきすぎて結果的にかなり巻くことになった(1時間程度)ので、次回は入れ替えの時間を短くして発表時間を多く取っても良いと思いました。
ロマンスカーの予約
ロマンスカーの団体予約は乗車日の1ヶ月前から行えます。 その際は直接小田急の窓口まで行って予約する必要があるのでご注意ください。 今回は、小田急新宿駅の西口地上改札の前の窓口まで行き、予約しました。 乗車当日の1時間前まで、電話で人数の変更が可能です。
当日の流れ
1日目
タイムスケジュール
時刻 | やること |
---|---|
7:30 | 欠席者確認、小田急への人数確定の電話 |
8:30 | 運営メンバーでチケット受け取り&支払い |
8:50 | 新宿駅(小田急の西口地上改札)集合 |
9:10 | 駅のホームに移動 |
9:20 | ロマンスカーに乗車 |
10:56 | 箱根湯本駅に到着 |
11:30 | 宿に到着・チェックイン |
12:00 | 昼食 |
12:30 | 開会式 |
13:00 | 開発開始 |
14:00 | 集合写真撮影 |
15:00 | 部屋に荷物を運び始める |
18:00 | 中締め |
18:30 | 夕食 |
19:30 | 自由時間 |
ハイライト
新宿駅に集合
小田急新宿駅の外で待ち合わせをしました。 公道なので邪魔にならないように可能な限り端に寄って待機してもらっていました。 なお、誰も遅刻することなく集まってもらえました! 流石ですね!
徒歩でホテルまで向かう
私はチェックインなどの手続きをするためにタクシーで一足先に向かいましたが、徒歩で向かった方いわく、自然の景色を見ながら歩けて気分転換になったとのことでした。 タクシーで行くにしても、平日の昼にかかわらず道が混んでいて到着まで時間がかかったので、所要時間的には徒歩とほぼ変わらなかったです。
開会式
オンラインの方にも参加してもらうので、Google Meetで中継しながら開会式を行いました。
また、アイスブレークとして2、3部屋のメンバーごとに分かれてもらい、自己紹介と開発への意気込みを語ってもらいました。
開発の様子
基本的に会議室で開発してもらっていました。
また、自由につまめる軽食や飲み物も用意しました。
気分転換できるように足湯や客室での開発もOKとしました。 ※ 足湯での開発は細心の注意を払って行ってもらっていました。
中締め
1日目の開発時間の締めとして、オンライン・オフラインの方それぞれ何人かに開発の進捗を共有してもらいました。 開発にメリハリをつける効果があったほか、オンラインで開発している方々とのsyncもできました。
夕食
自由席かつ席移動も自由にしたので活発に交流が行われ、大いに盛り上がりました。
料理も豪華で参加者の満足度も高かったです。
2日目
タイムスケジュール
時刻 | やること |
---|---|
8:30 | 朝食 |
9:00 | 開発 |
9:30 | 朝会 |
11:00 | 部屋を完全退室 |
11:30 | 昼食 |
12:00 | 発表(前半戦) |
13:30 | 休憩 |
13:45 | 発表(後半戦) |
15:00 | 休憩+buffer |
15:30 | 表彰&閉会式 |
16:00 | 宿出発 |
17:02 | ロマンスカーに乗車 |
18:28 | 新宿駅に到着・解散 |
ハイライト
発表
参加者にそれぞれ登壇して発表してもらいました。 参加者全員で真剣に発表に耳を傾けていました。
表彰
審査員 + 受賞者でそれぞれ記念撮影しました。 喜びがマスク越しでも伝わってきますね!
当日以降の流れ
賞品発表
合宿の総括と合わせて、月末のテクノロジー戦略本部の定例で賞品を発表しました。 定例がオフラインで開催できたこともあり、かなり盛り上がりました!
アンケート
合宿開催後、参加者全員にアンケートの回答をしてもらいました。 以下のような結果になりました。 全体的に好意的な評価が得られ、嬉しい限りです。
76%の方が5段階中4以上の満足度だったと回答しました。
89%の方が次回も参加したいと回答しました。
また、ミッションに沿った開発ができたか? という質問に対しても、好意的な評価が得られました。
オフライン参加では76%の人が5段階中4以上達成できたと回答しました。
オンライン参加では77%の人が5段階中4以上達成できたと回答しました。
定性的な意見として「他のチームの開発物を見て刺激をもらえた」や「運営の事前準備が丁寧だった」などの良いフィードバックをもらうことができました。 一方で「開発時間が少なかった」や「オンライン参加者とのコミュニケーションが少なかった」という次につながるフィードバックももらいました。
次回開催に向けた改善点
運営を進める中でいくつか改善点もありました。
1つ目は、運営メンバーは開発も並行して行っていたため、開発にかけられる時間がほとんどなかったことです。 司会や受付の分担をするにあたって、当日もっと参加者の手を借りてもよかったと感じています。 2つ目は、合宿の方針決めの早い段階でCTOを巻き込んで進めていくべきだったことです。CTOへの提案が運営メンバーの間で方針が決まった後で、CTOからOKが出ず、何度か手戻りが発生してしまいました。
次回開催も決まったので、今回の改善点を踏まえてより良いものになっていくように運営をサポートしていきます。
報告資料の作成
アンケート結果を踏まえて、CTOへの報告資料を作成してレポートしました。 CTOからの評価も非常によかったです。 全てのアンケートの項目に対してGOOD、BAD、次回に向けた改善点を明記したので、次回の合宿開催にあたり改善していくための資料としても機能させていきます。
おわりに
バイセルで初の開発合宿を開催し、計66名のオンライン・オフラインイベントとして無事に成功させることができました。 参加者の満足度が高く、大きなトラブルもなく終わることができてよかったです。 運営メンバーから見ても、成果物がジャストアイデアというよりは業務で活かせるものが多かった印象です。 開発合宿の運営メンバーになるということは、1つの社内プロジェクトを任せられたも同然なので、経験を積んで成長していきたい若手にはぜひチャレンジしてほしいです。
最後に、BuySell Technologiesではエンジニアを募集しています。興味がある方はぜひご応募ください!